
街の看板、百貨店のポスター、よく見るWebサイトやアプリ。これらはすべて、「デザイナー」によってデザインされています。何気なく目にしている多くのものは、企業の意図が伝わるよう、デザイナーが時間をかけて制作したものです。
今回は、近年需要が高まっているWeb・メディア関連のデザイナー7種類とその仕事内容を解説します。また、デザイナーに必要な共通スキルもまとめました。
デザイナーの職業に興味のある方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
デザイナーとはどんな役割なのか
デザイナーの役割は、世の中にある販促物や商品、建築物、Webサイトなど、ありとあらゆるビジュアルを創造することです。
自身の想いをデザインとして発信する場合もありますが、多くは「クライアントからの依頼に応じて、求められたデザインを考案する」というのがメインとなります。
デザインは認知度や売り上げに大きく影響するため、ターゲット層やブランドイメージを深く理解した上でデザインに落とし込まなければなりません。例えば40代女性をターゲットにしているラグジュアリーブランドの場合、奇抜な色使いよりも落ち着いた色使いにする、女性らしい曲線を使ったグラフィックにするなどの判断が必要です。
デザイナーは自身のセンスや感性とクライアントの要望をうまくブレンドし、アウトプットすることが求められます。
Web・メディア関連のデザイナー7種類と仕事内容
デザイナーはさまざまな分野で活躍するクリエイティブな職業ですが、今回はWeb・メディア関連のデザイナーにフォーカスして、代表的な7種類とその仕事内容を紹介します。
- Webデザイナー
- グラフィックデザイナー
- CGデザイナー
- UI/UXデザイナー
- DTPデザイナー
- ブックデザイナー
- ゲームデザイナー
- エディトリアルデザイナー
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインをおこないます。ホームページであれば企業情報、ECサイトなら商品情報や魅力など、そのサイトを通じて伝えたい内容に合わせた分かりやすいデザインの設計が求められます。
また、デザインを考えるだけでなく、サイトとして実装するためのコーディング作業までおこなうこともあるため、その場合はプログラミングスキルが必要です。
Webデザイナーとしてのキャリアを築くには、実務経験や個人の資質、これまでの経験値を総合的に見つめ直す自己分析が不可欠です。
仕事内容への理解を深めながら、自身の適性や強みを把握し、それらを今後のキャリアにどう活かしていけるかを幅広い視野で考えます。
詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。
⇒Webデザイナーとは?仕事内容や年収、必要なスキルや将来性について
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、広告や商品、ブランドロゴ、楽曲ジャケットなどのデザインをおこないます。
総合的なグラフィックのデザインをおこなうため、イラストレーターやフォトグラファー、CGデザイナーなどさまざまなクリエイターと協力して制作を進めることもめずらしくありません。
チームとして動く場合は、自身がディレクターとして指揮をとることになります。また、グラフィックデザイナーの仕事は、デザインの根幹となるコンセプトを考案し、そこから視覚的な表現を展開することもあります。
クライアントの意図や目的を深く理解し、それを効果的に伝えるための戦略的な思考が求められる職業です。
グラフィックデザイナーについてはこちらの記事も併せてご覧ください。
⇒グラフィックデザイナーになるには
CGデザイナー
CGデザイナーは、コンピューターグラフィック技術を活用し、主に映画やアニメなど映像やゲーム、建築・設計の分野でデザインをおこないます。もちろん広告や商品デザインの分野で活躍することもあります。
Mayaや3ds Maxなどといった専用のソフトをコンピューターを用いて、デッサン画像に立体感やリアリティを持たせながらグラフィックを制作します。
UI/UXデザイナー
UI(ユーザーインターフェース)とは、Webページ上の表示や入力を指し、UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、Webページ上で得られるユーザーの体験を指します。UI/UXデザイナーはこれらをデザインする仕事。つまり、ユーザー目線に立って使いやすく分かりやすいWebページを設計するのが、UI/UXデザイナーの役割です。
比較的新しい職種ですが、近年のIT社会においてニーズが高まっていくと考えられています。
DTPデザイナー
DTPデザイナーは、雑誌や書籍、ポスター、フリーペーパーなどの印刷物のデザインをパソコン上でおこなう仕事です。DTPは「Desktop Publishing」の略で、「机上出版」を意味します。作業はFTPソフトと呼ばれる専門ツールを使っておこなわれます。
デザインだけでなく、印刷工程にまで持っていく業務まで担うのが特徴です。
また、DTPデザイナーに関して詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてご覧ください。
⇒DTPデザイナーになるには?仕事内容や求められるスキル、年収について
ブックデザイナー
ブックデザイナーは装丁家とも呼ばれ、本に関するすべてのデザインをおこないます。
本の表紙、帯、フォント、文字の大きさ、行間の広さ、挿絵、そして紙の種類や本の厚さまでをデザインし、「造本プラン」と呼ばれる本の設計書にまとめていきます。
ブックデザイナーは、普段から本を読み「どんな本が読みやすいか」「どんな表紙が売れるのか」「著者の思いはどこにあるのか」など本への知識と理解がとても重要です。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲームにおける視覚的な要素の全般を担当する専門職です。キャラクターデザインや背景、ユーザーインターフェース、エフェクトなど、画面に表示されるあらゆるビジュアル要素の制作を手がけます。
さらに、ゲームの世界観やストーリー、ゲームシステムの設計にまで及ぶこともあります。また、制作現場の管理者として、プログラマーとの連携やバグチェックなど、ゲーム開発全体の品質管理にも携わることもあるでしょう。
エディトリアルデザイナー
エディトリアルデザイナーは、誌面やカタログ、書籍などの媒体をレイアウトするデザイナーです。文章や写真を配置し、読みやすさと視覚的な魅力を引き出すことに重点を置きます。
グラフィックデザイナーと似た役割がありますが、主に長編冊子を扱い、ページ間の一貫性やストーリー性を重視するところが異なる点です。読者の目線に立ち、情報を効果的に伝えながら、全体として調和のとれた印刷物を作り上げることを目的としています。
Web・メディア関連以外のデザイナーの仕事
Webやメディア以外にもデザイナーの種類はたくさんあります。ここでは主に代表的なデザイナーを5つまとめました。
- ファッションデザイナー
- インテリアデザイナー
- プロダクトデザイナー
- カーデザイナー
- フラワーデザイナー
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーは、独創的なビジョンを持って洋服をデザインし、新しい価値を生み出す職種です。
ただ単に美しい服を作るだけでなく、時代のトレンドや消費者ニーズを的確に捉え、マーケティング戦略に基づいた製品開発をおこないます。
アパレル業界の最前線で活躍するため、芸術的センスとビジネススキルが必要です。
また、テキスタイルデザイナーと呼ばれる、ファッションデザイナーが創造した洋服のデザインを具現化する専門職もあります。繊維(テキスタイル)製品をデザインする仕事です。
インテリアデザイナー
インテリアデザイナーは、室内を対象とし全体のバランスを考えながら、トータルでデザインする専門家です。具体的には、家具や照明、雑貨などの選定と配置、色彩計画など、空間レイアウトの細部まで監督し、理想的な住宅環境を作ります。
装飾にとどまらず、建築の企画段階から関わり、クライアントのニーズや建築業者との連携を図りながら、機能性と快適性を兼ね備えた空間づくりを実現させるのも仕事です。
なお、空間デザイナーと呼ばれる職種もありますが、こちらはインテリアデザイナーとは違い、室内・屋外などの場所を問わず、建築を総合的に担当します。
プロダクトデザイナー
プロダクトデザイナーは、家電製品や家具、自動車など、私たちの生活に密着したさまざまなプロダクトデザインを手がける業種です。
ただ美しさを追求するだけでなく、製品の機能性や安全性、素材を的確に選択するなど、多岐にわたる専門知識が必要とされます。使用する方の視点に立ち、実用性と審美性を持った製品を作ることが求められています。
カーデザイナー
カーデザイナーは、自動車のデザインを担うインダストリアルデザイナーの一種です。外装デザイン、内装デザイン、クレイモデル製作、カラー選定など、それぞれの専門分野に分かれて活動します。
主に自動車メーカーやデザイン会社に所属し、自らのデザインが工業製品として販売される喜びと責任の両面を実感できるやりがいのある職業です。デザインを通じて、自動車産業の進化に貢献します。
フラワーデザイナー
フラワーデザイナーは、生花を用いて芸術的な装飾作品を創造する仕事です。店舗やイベント会場の装飾、プレゼント用の花束やアレンジメントなど、用途に合わせて花を活かした空間演出をおこないます。
季節の花材を選び、色彩バランスや配置を考慮しながら、顧客の要望に応える魅力的な作品を生み出します。
デザイナーになるために必要な共通スキルとは?
デザイナーを目指すにあたって、どの分野でも必要な共通スキルは以下の4つが挙げられます。
- デザインソフトの取り扱いスキル
- デザインスキル
- マーケティングスキル
- コミュニケーションスキル
の4つが求められます。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
デザインソフトの取り扱いスキル
デザイナーの必須スキルといっても過言ではないのが、IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトの取り扱いスキルです。就職や転職の際にスキルの証明に役立つのが、以下のような資格です。
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- 画像処理エンジニア検定
- CGクリエイター検定
資格の取得は必須ではありませんが、将来のためにチャレンジしてみるのもおすすめです。
デザインスキル
色使いや配置、見やすさ、フォントのもたらす印象などデザインに関する基礎的な知識は、自身のデザインに説得力を持たせるためにも必ず身につけておきましょう。
Webデザインと紙媒体のデザインでは表現の方法が違うため、自分が活躍したい分野の表現は特に深掘りしておくといいですね。
マーケティングスキル
デザイナーにとってマーケティングスキルは、効果的なデザインを生み出すために必要なスキルです。デザインの目的は美しさを追求するだけでなく、顧客の課題を解決し、商品やサービスの価値を引き出すことにあります。
マーケティングの知識は、ターゲット層の理解、市場動向の分析、競合他社との差別化など、戦略的なデザイン制作に不可欠です。
コミュニケーションスキル
デザイナーはデスクと向き合い、黙々と作業するイメージを持っているかもしれません。しかし実際には、クライアントとの打ち合わせや別のクリエイターとの連携など、コミュニケーションを積極的に取りながら進めていく仕事です。
そのため、自分の意見を伝えたり、相手の意見をうまく聞き出したりといったようなコミュニケーションスキルも欠かせないものと言えます。
デザイナーの平均年収
厚生労働省が提供している職業情報「job tag」によると、デザイナーの平均年収は509.3万円でした。
ただし、デザイナーの収入は、専門分野や経験年数、所属する企業や働き方によって大きく異なります。
デザイナーとしてのキャリアを築く際は、経験とポートフォリオの充実を重視することが収入アップにつながることが多いです。
また、デザイナーの年収に関して詳しく知りたい方は下記の記事も併せてご覧ください。
⇒デザイナーの年収を解説!1000万円を稼ぐには?稼げる職種や給料の高い企業など紹介
デザイナーとしての働き方
デザイナーの働き方は、大きく分けて企業所属とフリーランスという2つの選択肢があります。企業所属の場合、正社員、契約社員、派遣社員、パートタイムなどの雇用形態で働くことが可能で、安定した収入と社会保険加入などの福利厚生が保障されます。
ただし、会社の方針や指示に従う必要があり、デザインの自由度は限定的となる可能性が高いです。
一方、フリーデザイナーは、自身の専門性や好きな仕事を選択できる自由さがあり、業務委託の形で多くのクライアントと関われます。ただし、営業活動を継続しておこなわなければ、収入が不安定になるかもしれません。
とはいえ、現在は業務委託の求人も増えており、フリーデザイナーにとって新たな仕事を得るチャンスとなるでしょう。
両者の働き方には、それぞれメリット・デメリットがあるため、価値観やキャリアプランに応じて選択することが重要です。
デザイナーになるにはどうすればいい?
未経験からデザイナーになるには、主に3つの方法が挙げられます。ここではどのようにデザインを学ぶのかを解説します。
- 独学で勉強する
- スクールに通う
- デザイン系の大学や専門学校で勉強する
独学で勉強する
デザイナーになるための国家資格は必要なく、独学でもなれます。しかし、相応の努力と時間を要します。
オンライン学習できるプラットフォームやデザイン書籍などを利用すれば、基礎理論やソフトウェアスキルを習得できます。
ただし、実践的な経験を積むことが重要です。個人がおこなっているプロジェクトの制作やフリーランス案件への挑戦をおこない、実務能力を養わなくてはなりません。
コストはかからないものの、徹底したスケジュール管理が必須です。
スクールに通う
民間スクールは、大学や専門学校と比べて費用を抑えながら、学習ができます。体系的なカリキュラムに従って学べるため、独学よりも確実にスキルを身につけられます。
さらに、在宅が可能なオンライン受講や通学など、自分の生活スタイルに合わせて柔軟に学習方法を選択できるのがメリットです。仕事や他の活動と両立しやすい教育環境が整っています。
デザイン系の大学や専門学校で勉強する
デザイン系の教育機関では、大学で4年、専門学校で約2年と、デザインスキルをしっかり学べます。特に第一線で活躍する著名なデザイナーが講師として指導にあたることも多く、プロフェッショナルの技術や創造的なアイデア、業界の最新トレンドに直接触れられる貴重なアドバイスをもらえます。
また、オープンキャンパスや卒業制作展は、在校生や卒業生が作成した作品に触れることで、自分が目指すデザイン分野や学びたい内容を具体的にイメージすることが可能です。
進学を検討する際は、こうした機会を積極的に活用して、より明確な目標を持って学習に取り組めるよう準備することが大切です。
まとめ
五感の中でも、視覚からの情報は約9割を占めると言われています。デザイナーは、その視覚に訴えかけるビジュアルコンテンツのデザインを担う重要な役割です。その商品やサービスを認知してもらえる、魅力的なデザインを制作できるかどうかがデザイナーとしてのやりがいに繋がる部分になってくるでしょう。
デジタル社会の急速な発展に伴い、特にWebやメディア関係のデザイナー需要が著しく増加しています。オンラインコミュニケーションの重要性が高まる中、デジタル領域でのデザインスキルを身につけた人々は、企業にとって不可欠な人材です。
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