VR動画の作り方をわかりやすく解説!おすすめの編集ソフトや必要機材をご紹介

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    VR動画の作り方をわかりやすく解説!おすすめの編集ソフトや必要機材をご紹介

    「VR動画を作ってみたいけど難しそう」「VR動画におすすめの編集ソフトを知りたい」

    VR動画制作は一見難しく思えますが、手順通りに行っていけば簡単に作れます。本記事ではVRの仕組みや必要な機材、簡単に作れる手順を解説します。

    また、VR動画におすすめの専用編集ソフトもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

    • 大阪アミューズメントメディア専門学校 ゲームプログラマー学科
    • この記事は、大阪アミューズメントメディア専門学校のゲーム・アニメ3DCG学科が執筆しています。

    VRとは360度見渡せるバーチャルリアリティ

    VRとは360度見渡せるバーチャルリアリティ

    VR(Virtual Reality)は「仮想現実」とも呼ばれ、360度空間を見渡せる技術です。VR動画を作る前に、基本的な知識を知っておきましょう。

    また、似たような言葉の「AR」があります。ここではARとVRの違いも解説しているので、チェックしてください。

     

    VRの意味

    VRは専用のゴーグルを使って360度の映像で視界を覆い、現実とは異なる仮想の世界を体験させる技術です。この技術によりユーザーはまるでその仮想空間にいるかのような臨場感を味わえます。

    最新の技術では、自由な動きや対話性が追加され、より没入感が向上し ゲーム、教育、医療、訓練、エンターテインメントなど、さまざまな分野で活用されています。

     

    ARとの違い

    ARは拡張現実とも呼ばれ、デジタル情報やオブジェクトを現実の世界に重ね合わせ、スマートフォンやゴーグルを使用して仮想のオブジェクトや情報を表示する技術です。

    VRが仮想現実であれば、ARは現実世界の風景に複数の情報を付け加えて見せるといった違いがあります。

     

    >>ARの作り方は簡単?作成におすすめのツール・注意点をご紹介 

     

    VR動画に必要な機材

    VR動画に必要な機材

    VR動画をすぐに作りたいと思っても、肝心の機材やソフトがなければ始められません。ここではVR動画に必要な機材をご紹介します。

    プロが使うような高い機材ではなく、まずは気軽に購入できる機材から集めてみましょう。

     

    おすすめのVRカメラ

    全方位からのパノラマ撮影ができる全天球カメラ(360度カメラ)がVR動画の撮影に必要です。

    全天球カメラはさまざまな種類があり、価格帯も広いですが中でも「GoPro」は知名度や扱いやすさから人気があります。

     

    例えば「GoPro MAX」は手ブレの自動補正機能を搭載した「水平維持機構HEROモード」があり、どのような角度からでも映像がブレずに安定するのが特徴です。これにより、VR動画作りが初心者でも高品質な映像を撮影できます。

    カメラの費用相場は5万円〜10万円前後です。またおすすめのVRカメラを以下でご紹介します。

     

    VRカメラ 特徴
    RICOH THETA(リコー シータ) 初心者におすすめ

    シンプルなデザインと操作で手軽に撮影が可能

    QooCam 世界最小

    8K撮影が可能

    GoPro Omni アウトドアスポーツの撮影におすすめ

    最大8K撮影が可能

    KeyMission360 4K動画の保存に対応可能

    耐衝撃性・防水機能・耐寒機能がある

     

    おすすめのVRゴーグル

    VR動画を確認するためには、VRゴーグルが必須です。ゴーグルがなくても作成した映像は見られますが、実際のVR映像を確認するためにも用意しておきましょう。

    なお、VRゴーグルの費用相場は4万円〜10万円程度です。

    VRゴーグル 特徴
    DPVR/DPVR P1 Pro 4K 4Kディスプレイを搭載

    PCへの接続が不要

    Pico Technology / Pico G2 4K 4Kディスプレイを搭載

    ヘッドバンドの自動調整が可能

    276gと軽量

    おすすめの動画編集ソフト

    VR動画に対応している編集ソフトが必要です。スマホアプリでも可能なので、初めての方は無料のアプリを使用するのも良いでしょう。

    使用しているうちにもう少しレベルをアップさせたいと思った場合は、クオリティの高い有料のツールを使うのも一つの手です。

    動画編集ソフト 特徴
    ハコスコカメラ RICOH THETAとスマホをつなげて編集する

    ライブビューを見ながらパノラマ映像の撮影や再生が可能

    Adobe Premiere Pro ファイルの表示・変換・署名ができる

    自動カット・テロップ入力機能が搭載

    編集が自動的にVRモードに切り替わる

    Final Cut Pro X Apple社が提供している動画編集ソフト

    macでしか使えない

    メタデータを自動で設定してくれるのでYouTubeにそのままアップロードができる

    Spacely(スペースリー) 初心者でも簡単にVRコンテンツ作成可能

    AIによる空間設計やサイズ推定が可能

    Spincle スマホ専用アプリ

    自然な3D映像を再現できる

    SNSへのアップロード機能がある

    VideoProc 初心者むけの動画編集ソフト

    基本機能が収録

    さまざまなファイル形式に対応

    低スペックなPCでも対応できる

     

    VR動画の作り方をわかりやすく解説

    VR動画の作り方

    それではVR動画の制作に取りかかりましょう。ここでは撮影から編集までの流れを3つのステップでそれぞれ詳しくご説明しています。ぜひご覧ください。

    • 動画内容の企画を作る
    • 専用のカメラで360度撮影する
    • 専用ソフトやアプリで編集する

    >>VR動画・空間・ゲームを作りたい方必見!詳しい作成方法とは?

    ステップ1.動画内容の企画を作る

    まずは動画の企画を立てることから始めます。VRは視聴者が動画内で360°自由に視点を変えられるため、どの方向にどのような情報があるかを意識した企画が重要です。

    さらに視聴者が臨場感や没入感を感じられるよう、企画段階からリアルな擬似体験を具体化させましょう。

    ただし、VR動画は360°の情報を扱うため、各シーンの時間が通常よりも長くなりがちです。不自然にならないように登場人物や背景など、細部にわたる工夫が求められます。

    興味を引く要素やサプライズを提供することで視聴者の好奇心をくすぐり、長時間視聴しても飽きないコンテンツ作りを行うのがポイントです。

     

    ステップ2.専用のカメラで360度撮影する

    360度カメラは一度の撮影で全方向を捉えられるので、慎重にシーンや視点を選択して撮影することで視聴者により良い体験を提供できます。

    カメラをスムーズに移動させ、自然なシーンになるように意識して行います。急激な動きや切り替えは視聴者に違和感を与える可能性があるので注意しましょう。

    また、明るさや色彩の工夫により、映像が見やすくなります。シーンに応じた適切な照明を使い、美しさやリアリティを追求することも大切です。

    ステップ3.専用ソフトやアプリで編集する

    専用の編集ソフトを使用し、360°で撮影された複数の映像をシームレスにつなぎ合わせることで没入感のあるVR空間を生み出すことが可能です。

    さらに映像の位置合わせ、色調補正、露出調整など、各映像のパラメータを調整して統一感をもたせます。これにより、違和感なく自然な映像が作れるはずです。

    また、VR動画は視覚だけでなく立体音響を導入して、聴覚にも訴えかけることも検討しましょう。必要に応じてVR動画に特殊効果やアニメーションを追加し、臨場感を高めることも興味を引くポイントになります。

     

    編集した動画をアップする方法

    編集した動画をアップする方法

    次に編集した動画をプラットフォームにアップする方法をご紹介します。プラットフォーム

    には企業のホームページやYouTube、SNSなどが挙げられますが、ここでは最も利用されているYouTubeに焦点を当てて解説します。

     

    動画のエンコード

    YouTubeにアップロードするためには、データを圧縮するエンコードを行います。YouTubeでは高い圧縮効率と高品質を維持するために、H.264コーデックを使用したMP4形式を推奨しています。

    VR動画の解像度はできるだけ高く保つことが望ましいですが、YouTubeはさまざまな解像度に対応しています。代表的な解像度には2160p(4K)、1440p(2K)、1080p(Full HD)があるので参考にしてください。

    また、フレームレートは24fpsまたは30fpsが一般的ですが、VR動画では60fps以上がよりスムーズな仕上がりになるのでおすすめです。

    参考:YouTube にアップロードする動画におすすめのエンコード設定

     

    メタデータの設定

    360度の動画を正しく再生するためには、動画ファイルに適切なメタデータを埋め込む必要があります。

    1. 360 Video Metadataアプリをダウンロードしてインストールする
    2. インストールが完了したらアプリを起動する
    3. アプリ内の「open」と「Choose File」のオプションを選択して、360度動画にメタデータを埋め込む対象の動画ファイルを選択
    4. 「Save as」を選択
    5. 新しいファイル名を入力

    以上の埋め込まれたメタデータにより、動画プレーヤーやプラットフォームは360度視聴をサポートできます。

     

    アップロード

    YouTubeにアカウントを作成し、新しいチャンネルを開設します。

    1. YouTubeのホームページで、「アップロード」ボタンをクリックし、アップロード画面に移動
    2. VR動画のファイルをドラッグアンドドロップまたはファイルを選択してアップロード
    3. アップロード完了後、サムネイルを設定する
    4. 動画のVR再生が正しく機能するか確認する
    5. 問題がなければ動画を配信
    6. 必要に応じてソーシャルメディアなどで共有する

    アップロードが完了するまでは1時間以上かかることがあります。その間にサムネイルを考えておくのも良いでしょう。

    サムネイルは視聴者の注意を引くための非常に重要なポイントです。また、視聴者からのコメントやフィードバックに対応し、YouTubeの分析ツールを活用して動画のパフォーマンスをモニタリングすることも徹底しましょう。

     

    VR動画を作る際の注意点

    VR動画を作る際の注意点

    ここではVR動画を作るにあたって、どのようなことに注意しなくてはならないのかを解説します。

     

    撮影前にリハーサルを行う

    VR動画を撮影する前に、動きがキャスト任せにならないようにしなくてはなりません。

    そのためには、キャストと事前に打ち合わせを行い、シーンごとの動きや演技の要点を確認します。

    リハーサルを通じてキャストと話し合い、予期せぬ問題を事前に解決できるようにすることが大切です。

    また、カメラアングルの変更や特定の動きをお願いする場合、明確な指示をキャストに提供します。

    背景が360度映る状況を考慮してどの方向に注力するかを共有し、キャストと理解を深めましょう。

     

    なるべく4K以上のカメラを使う

    視聴者は動画内を拡大して見ることができるため、4K以下だと画質が荒く見えてしまいます。

    4K以上の解像度であれば、視聴者によりリアルな視覚体験を与えられます。細かいディテールやテクスチャがクリアに表示されることで、臨場感や没入感が向上するでしょう。

     

    処理する方法を決めておく

    カメラを設置する際に、余計なものが映り込まないように慎重に配置します。高い場所からの撮影や、カメラを隠すための工夫を行うことで、映り込みを最小限に抑えることが可能です。

    もし撮影者自身や不要なものが映り込んでしまった場合は、編集で対策することを考えましょう。

    ロゴや特殊効果、テキストなどを使って映り込みを隠す方法を検討し、事前に方針を決めることが大切です。

     

    スティッチング作業に時間がかかる

    スティッチングを行うには専門的なスキルが必要です。そのため、業者に依頼することも検討しなくてはなりません。

    ただし、最近のVRカメラには、自動でスティッチングを行う機能を搭載しているものもあります。

    これらのカメラを使用することで、手動でのスティッチング作業を省略でき、制作効率が高まるでしょう。

    また、自社でスティッチングを行う場合、スティッチングソフトウェアの選定が必要です。コストを踏まえてどのようにするかを決めていきましょう。

     

    VRゲームなら「Unity」スキルを身につけよう

    Unityがゲームスキルに必要な理由は、インターフェースとクロスプラットフォーム対応があり、初心者でも扱いやすいからです。

    Unityを使うことで、3D・2Dゲームの開発やVRアプリケーションの制作が容易になります。そのため、プログラミングやグラフィックデザインのスキルがなくても、手軽にゲーム制作に挑戦できます。

    その他にも「Unreal Engine」と呼ばれるゲームエンジンは、優れたグラフィックエンジンを持ち高品質なビジュアル表現が可能です。

    プログラミングが苦手な方でも、Unreal Engineのブループリント機能を使ってゲームロジックを構築できます。

    また、Unreal Engineは映画やアニメーション制作、自動車産業など、幅広い分野で採用されているので、スキルを身につけていると転職にも有利となるでしょう。

    >>VR動画・空間・ゲームを作りたい方必見!詳しい作成方法とは?

    まとめ

    VRは360度見渡せるバーチャルリアリティで、視聴者を楽しませることが可能です。VR動画は機材を揃えて手順さえ踏めば誰でも簡単に作れます。

    VR動画はプロではなくても、十分にレベルの高い作品が作れます。まずは自分に合った編集ソフトを入手して、YouTubeにアップしましょう。

    >>大阪アミューズメントメディア専門学校 動画・配信クリエイター学科

     

     

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