
私たちの日常には、声を使った仕事が欠かせません。なかでも、ナレーターと声優は声を使った仕事としてよく知られていますが、実は役割や求められていることに違いがあります。
この記事では、両者の役割の違いを紹介します。
ナレーターと声優、役割の違いとは?
どちらも映像に対して声を入れる仕事ですが、その仕事内容や活躍する場には大きな違いがあります。
ナレーターは、ニュースや解説や作品の説明などで、冷静にかつ視聴者が聞き取りやすいように話すのが特徴です。声色や話術で感情を表現するよりも、伝えたい情報そのものを際立たせることに重きを置きます。
一方で、声優はアニメなどのキャラクターを演じることが求められます。キャラクターの性格や感情、そして置かれた状況に合わせて声の演技をすることで、そのキャラクターに命を吹き込むことが重要になります。
ナレーターは情報を伝えるプロ

ナレーターは、音声を通じて情報を伝えるプロフェッショナルで、その仕事内容は多岐にわたります。
主に、映画やラジオ、テレビといった映像コンテンツ内で語りを行う仕事です。視聴者に分かりやすく情報伝達や解説をすることで、コンテンツへの理解を深めます。
特に、CMやドキュメンタリー番組での活躍機会が多い職業です。事実を正確に、客観的に伝えるために落ち着いた声と間合いが求められます。
映像作品や伝えたい情報内容が主役ではありますが、ナレーターの声によって情報がより分かりやすくなるため、とても重要な役割を担っています。
ナレーターの活躍場所
ナレーターが活躍できる場所は多岐にわたります。ここでは、具体的な仕事内容を解説します。
テレビ番組やドキュメンタリー
テレビ番組やドキュメンタリーでは、ナレーターは欠かせない存在です。
声だけで映像内容を深く掘り下げ、映像コンテンツの理解度を高める役割を果たします。例えばバラエティ番組では、VTRの解説を面白くすることで番組を盛り上げます。一方、ドキュメンタリーでは、事実を伝えつつ視聴者の心に深く語りかけます。
コマーシャル
コマーシャル制作においてナレーターの役割は非常に重要です。限られた短い時間内で作品の世界観を深め、視聴者に語りかけるその声は、映像だけでは伝えきれない情報を補います。そして、商品をより魅力的に伝え、訴求力を高める効果が期待できます。映像が見られない状況でもアピールができるため、ナレーターには声質や感情表現を自在に操る高度なスキルが求められます。
オーディオブック
オーディオブックは、本の内容を目で追うだけでなく、耳で聞くことでも楽しめる音声コンテンツです。そのため、本を読む時間をなかなか取れない方でも、家事や通勤中など他の作業をしながら内容に触れることができます。こうした手軽さから、近年その需要が高まっています。
登場人物の緊張感や心情を声だけで表現し、聴覚に訴えかけることで、読書とは一味違った世界を体験することができます。
駅や施設内のアナウンス
施設内や公共機関においては、利用者のための案内アナウンスとしてナレーターが活躍しています。
駅構内での列車の発着案内や乗り換え案内、施設でのイベント告知など、その活躍の場は多岐にわたります。利用者に正確かつ迅速に情報を伝えるため、明瞭な発音と聞き取りやすい声のトーンが求められます。
ナレーターに向いている人
朗読が好きな人や自分の気持ちを声で表現できる人などは、ナレーターに向いているといえます。多くの本を読む習慣がある人は、表現の幅も広く、語彙力も豊富な傾向があるからです。
また、人に「はっきりと」分かりやすく声で伝える能力が不可欠です。
聞いている人に正確に情報を伝達するためには、その場面に合った声の大きさやイントネーションが求められ、信頼感や説得力も重要になります。
台本を読むだけでなく、声の質やトーンなどを文章から読み取り、それを的確に伝える能力が備わっている方が向いている人でしょう。
ナレーターに必要なスキル
ナレーターになるためには、幅広いスキルが求められます。
まず、正確な日本語のアクセントや発音は必須です。特に、ニュースやドキュメンタリー番組などでは、誤解がなく伝えるために、自然なアクセントと明瞭な発音が求められます。
加えて、情報を正確に伝えなければならないため、誰にでもわかりやすく複雑な事柄をシンプルに説明するスキルが求められます。
また、滑舌の良さも重要です。ハキハキと自信をもって発音することで信頼感にもつながります。わかりやすく聞き取りやすい話し方が求められるため、早口言葉の練習や口の周りの筋肉トレーニングをおこなうといいでしょう。
さらに、読解力や表現力など、台本のシーン通りに声で表現することも重要な必要スキルのひとつです。
ただ読み上げるだけでなく、その作品の世界観に合わせて声で表現することが求められます。感動的な場面では、声のトーンを落とすなどその場面に合った、間の取り方や抑揚、声のトーン、ボリュームなどもコントロールすることで、映像がさらに引き立ちます。
声優は、キャラクターに命を吹き込むプロ

声優は主に、キャラクターの声を担当する仕事です。
キャラクターの感情などに合わせて声を入れる、まさに命を吹き込むような作業といえるでしょう。声のボリュームや抑揚はもちろん、キャラクターに感情を込め、イメージに合わせて声のトーンや質感を巧みに変えることで、視聴者が作品の世界に深く入り込むための重要な役割を担っています。
セリフに込められたニュアンスを読み解くだけでなく、息遣い一つで心情を表現します。また、キャラクターとして歌を求められることもあります。作品を見た人の心を揺さぶる演技力が声優の大切な役割です。
声優の活躍場所
声優の活躍できる場所も豊富にあります。こちらも具体的にみていきましょう。
アニメのアフレコ
アニメの映像に合わせて、キャラクターの声を入れる仕事です。
台本通りに読むだけでなく、キャラクターの心情などが伝わるような表現力が重要です。特に、映像だけでは表現しきれないキャラクターの細かな心理描写や、キャラクター同士の関係性を声だけで表現できる技術は、作品の魅力を大きく左右します。
また、多くのキャラクターを演じ分けることができると、声優として需要が高まるため、さまざまな声の出し方の練習に取り組むといいでしょう。
ゲームキャラクター
スマートフォンアプリやゲーム内のキャラクターボイスの仕事もあります。アニメのアフレコと似ていますが、音声を当てる量がアニメよりも多くなる傾向があるため、より個性やスキルが求められます。
近年の技術進歩により、感情を表現するための細かな演技力や、ゲーム内の多数のセリフ量をこなす持久力も必要になります。
これらのコンテンツが増えてきているので、今後も需要は増えるでしょう。
映画などの吹き替え
洋画などの吹き替えも声優の仕事の一つです。洋画などの吹き替えは、日本語と登場人物の口の動きが異なるため、見ている人が違和感を持たないように声を入れるテクニックが必要です。単に台本通りに読むだけではなく、キャラクターの個性や言葉に込められた意味を声で再現する技が求められます。
ラジオドラマやボイスドラマ
ラジオドラマや最近人気が高まっているボイスドラマでも、声優は活躍しています。
これらの作品は映像がないため、登場人物の気持ちや、その場の雰囲気、どのような時間が流れているかなどを、すべて声と音だけで表現しなければなりません。
だからこそ、聞いている人がまるでその世界に入り込んだかのように感じられるような、豊かな表現力と細やかな演技が求められます。
声だけで物語を作り上げ、聞く人の心に情景を浮かび上がらせる、まさに声優の腕の見せ所といえるでしょう。
声優に向いている人
感受性が豊かな人や、コミュニケーションが長けている人は向いているでしょう。
なぜなら感受性が豊富な人は、キャラクターの感情も深く理解し、そのシーンにあった声で表現することができるからです。
また、声優の仕事では、監督や共演者など、作品を作り上げる中で多くの人と関わることは避けて通れません。そのため、円滑なコミュニケーションが取れる方が向いている職業です。
そして、声優には向上心も不可欠な要素です。
声優を目指すためには、常にいろいろな表現方法を習得しなければいけません。
また、オーディションを受ける必要もあるため、たとえ合格ができなくても諦めずにチャレンジできる強い向上心が求められます。
声優に必要なスキル
声優に不可欠なのが演技力や表現力です。
キャラクターの感情や置かれている立場、状況を深く考え、声を吹き込まなければなりません。
そのため、キャラクターの行動や感情に共感し、声のトーンや、抑揚、喜怒哀楽の表現など、シーンに適したパフォーマンスが重要になります。
キャラクターを演じる時には、その心情を理解していなければ声で表現することはできないでしょう。キャラクターの性格、背景、感情など、キャラクターを深く理解するための読解力や分析力も必要です。
ナレーターと声優の将来性は?
ナレーターは、ゲームやウェブコンテンツなど、さまざまなメディアでの需要が高い職業です。また、テレビ番組でも多く活躍ができる職業ですので、今後もナレーターの需要が減少することはないでしょう。
同様に声優も需要が減ることはなく、今後も必要とされるでしょう。
「AIに仕事を奪われるのでは?」と心配する方もいますが、人間ならではの細かなニュアンス、言葉に込められた意味合い、そして作品全体の雰囲気を理解し、それを声で表現する能力は、AIにはまだ困難です。
人間ならではの表現力、演技力を磨くとこれからの時代でも必要とされる人材となれるでしょう。
まとめ
この記事では、ナレーターと声優の活躍できる場面や求められるスキルが違うことを解説しました。
ナレーターは正確に冷静に情報を伝えることを重視しますが、声優はキャラクターの感情を表現して演じることを重視します。
どちらも声を使うお仕事ですが、目的が違うため、必要なスキルや活躍する場も異なります。
将来性については、AIの進化を懸念する声もありますが、AIにはできない表現力など人間ならではの感情は不可欠ですので、今後も需要は続くと考えられます。
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