
イラストが好きな中学生や高校生にとって、イラストレーターは憧れの職業です。
素敵なイラストを見て、「自分もこんなイラストを描きたい!」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は、イラストレーターになるために知っておきたい知識をまとめました。
仕事内容や活躍できる業界、進路選びのコツ、必要な資格、スキル、よくあるQ&Aなど、盛りだくさんの内容になっていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
イラストレーターとは
イラストレーターとは、雑誌やポスターなどのメディア、Web上のコンテンツなど、様々な媒体に掲載されるイラストの原画を作成する仕事です。
仕事の流れとしては、まずクライアントと打ち合わせをして作成するイラストの内容や点数、スケジュールなどを決めます。その後にサンプルの作成をはじめ、チェックとフィードバック、修正を繰り返し、最後に色付けや細部の描き込みをしてから完成品を納品します。
以前はアナログの手描きが主流でしたが、近年は制作環境の変化に伴い、多くのイラストレーターがパソコンでイラストを制作するようになっています。
実は多い!イラストレーターが活躍する業界
イラストレーターと一口にいっても、そこで求められる役割や仕事内容は、活躍する場所によって異なります。
このため自分のなりたいイラストレーターになるには、「どんなイラストを描きたいのか」「どんな分野で活躍したいのか」具体的なイメージを持つことが大切です。
そこでここからは、イラストレーターが活躍している主な業界とその仕事内容について紹介します。
広告業界
テレビCMや動画、ポスター、雑誌、Webページなどを作って、情報を伝えるのが広告業界です。
情報を分かりやすく、魅力的に伝えるために、イラストが使われることがよくあります。
イラストを使ったCMやポスターなどをよく見かけますよね。
広告業界のイラストレーターは、デザインとイラスト両方の知識が求められることが多いです。
広告業界で活躍するイラストレーターになるには、イラストだけでなくデザインの勉強もしておくと有利です。
また、広告には新聞や雑誌など紙媒体、Web広告などWeb媒体があるため、どちらにも対応できる必要があるといえるでしょう。
ゲーム業界
キャラクターやアイテム、背景、バナーなどを制作するのが、ゲーム業界で働くイラストレーターの仕事です。
ゲームの企画を担うゲームプランナーやゲームのデザインの責任者であるアートディレクターから指示を受けて、ゲームの世界観や設定に合うイラストを描きます。
最近では特にスマホゲーム制作でイラストレーターが求められます。
新しいスマホゲーム発表される時はもちろん、ゲーム内のイベントがある度に新しいキャラクターやアイテムの絵が必要となるからです。
こうしたゲーム内で使われるイラストを描くイラストレーターの他、 キャラクターデザイナーとしても活躍できます。
アニメ業界
アニメ業界で働くイラストレーターは、キャラクターデザインや背景美術を担当します。
ちなみに同じ絵を描く職業でも、イラストレーターとアニメーターで求められるスキルは大きく異なります。
イラストレーターがクライアントの要望に応じてイラスト(静止画)を描くのに対し、アニメーターは、アニメを構成する絵を1枚1枚描くのが仕事です。
このためアニメーターには、動きのある絵を早く上手に描く技術が求められます。
出版業界
出版業界では、出版社からの依頼を受けて雑誌や書籍などに使用される表紙イラストや挿絵(カットイラスト)を作成します。最近では特にライトノベルの仕事が増えています。
現代はWebコンテンツ上の需要が増えていますが、出版業界では紙面のイラストの重要性がとても高いので、アナログを中心としたイラストレーターをめざす方に向いています。
イラストレーターの働き方と平均年収
イラストレーターの働き方は企業に所属して働く会社員と、企業に雇用されず個人で依頼を受けるフリーランスの大きく2つがあります。
会社員
会社員としてのイラストレーターの就職先は、デザイン事務所やゲーム制作会社、一般企業のデザイン部門などが多いです。
このように企業に所属して働く場合、社内のプロデューサーやディレクター、デザイナーなどと協力しながらチームで仕事を進めていきます。
会社員として働くイラストレーターの平均年収は392万円。
また、派遣社員として働く場合の平均時給は1,558円、アルバイト・パートとして働く場合の平均時給は1,113円となっています。
※2025年4月時点のデータです
参考:イラストレーターの仕事の年収・時給・給料(求人ボックス)
フリーランス
会社員として現場で経験を積んだ後は、フリーランスとして独立するという道もあります。
実際にイラスト制作の依頼は、フリーランスを対象とした業務委託を主流としている企業も多いです。
絵本やゲームなど何かに分野に特化する、逆にいろいろな案件にマルチに対応するなど、自分らしいスタイルで働けるのがフリーランスの特徴です。
しかし、そのぶん収入は能力やスキルによって幅があり、年収200円未満の人もいれば、600万円〜800万円近く稼いでいる人もいます。
>>フリーランスイラストレーターを目指す前に確認したいポイント。仕事が取れるようになるには?
>>イラストレーターの年収は?フリーランスの収入や給料を上げる方法も解説
イラストレーターになるための進路
どんな業界でイラストレーターが活躍しているか、イメージがわいたでしょうか。
ここからは、イラストレーターになるにはどんな進路を選べばいいかを解説します。
美術大学に通う
ゲームやアニメに使われるイラストをコミックイラストと言いますが、コミックイラストを専門に学べる美術大学は、まだまだ少ないです。
そのため美術大学は、どちらかというと広告業界に行きたい人におすすめです。
特に、広告業界の中でも有名な一流企業で働くイラストレーターになるには、有名美術大学に通うのがいいでしょう。
美術大学では、入学時にデッサンなどの実技試験があるところがほとんどなので、美術系の高校や画塾に通っている人が有利になります。
専門学校やスクールに通う
専門学校やスクールは、広告・ゲーム・アニメどの業界もおすすめです。
特に、ゲームやアニメに特化した学科があるのは大学とは違った強みと言えるでしょう。
デザインとイラスト両方学べる学科や、キャラクターデザイナーなど特定の職種を目指すための学科などもあるので、自分のやりたいことにぴったり合った学科が見つかるはずです。
専門学校やスクールの入学試験は、書類選考や面接がほとんどなので、今までイラストの勉強をしたことがないという人でも安心です。
通信教育を受ける
自宅で受けられる通信教育での学習は、仕事や家事で時間を作りづらい方や、他の勉強と並行して進めたい方におすすめです。
通信教育では、教材とテキストを使いながら専門家の指導も受ける形で勉強が進みます。後述する独学よりも効率よく、質の高い学習が可能です。
独学
書籍やWebサイトなどを参考に独学でスキルを身につけ、高校卒業後すぐにイラストレーターとして働くという方法もあります。
高い画力があれば、独学でもイラストレーターとして就職できる可能性もゼロではないですが、実際は画力以外も重視されることが多いです。
たとえばデジタルスキルは、特に重視されるスキルの1つです。
「イラスト制作ソフトの操作を学校で学んだ、または実務経験がある」などの応募条件があることも多く、独学では就職の選択肢が狭まってしまうかもしれません。
専門的な美術教育を受けずにイラストレーターになれる人は、実際にはほんの一握りだといえるでしょう。
イラストレーターがめざせる学校の種類
ここではイラストレーターがめざせる学校について、もう少し詳細に見ていきましょう。
イラストレーターがめざせる学校には大学、短大、専門学校の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
大学
4年制大学のなかでも美術大学(美大)・芸術大学(芸大)は、イラストレーターがめざせる学校の一つです。
美大や芸大に設置されている主な学科、専攻としては、絵画や彫刻、建築や映像などがありますが、イラストレーターを目指すなら美術学科やデザイン学科、マンガ学科がおすすめです。
美大に進学するメリットとしては、イラストに限らず、写真や映像編集など美術全般を幅広く学べることです。
また、大学は専門知識だけでなく、幅広い学問を身につけることを目的としているため、文化や言語などの一般教養も学べます。
大学を卒業すると「学士」という学位が得られます。大卒を条件とする企業への求人応募や資格の取得が可能になるため、将来の選択肢が広がるのも大きなメリットだといえるでしょう。
短大
美術系や芸術系の短大(短期大学)も、イラストレーターがめざせる学校の一つです。
短大は2〜3年制で、大学と違って学部がなく、専攻は学科ごとにわけられているのが特徴です。
また、大学の目的が幅広い学問を身につけること、専門学校の目的が特定の職業に就くために必要な専門的な知識と技術を身につけることであるのに対して、短大はその中間のポジションにあります。
このため、一般教養と絵の仕事に関する専門的な知識をバランスよく身につけることが可能です。
イラストレーターをめざすには、短大のなかでも美術学科やデザイン学科、イラスト学科がおすすめです。
専門学校
専門学校とは、特定の職業に就くために必要な専門的な知識と技術を身につけることを目的とした機関です。
修限年数は学校によって1〜4年と幅がありますが、イラスト系の専門学校は2年制が一般的です。
3つの中でもっとも実践的な知識と技術を習得できるため「絶対イラストレーターになりたい」という人や「一刻も早くイラストレーターとして活動したい」という人にはもっともおすすめの選択肢といえます。
また、専門学校は、学校によって得意とする分野や用意されている学科が大きく異なるのが特徴です。
このためフリーのイラストレーターが目指せるイラスト学科はもちろん、ゲーム業界のイラストレーターになりたい場合はゲーム学科、アニメ業界でイラストを手がけたい場合はアニメ学科など、自分の将来なりたい姿に合わせて学べるのが大きなメリットだといえるでしょう。
大阪アミューズメントメディア専門学校は、2年間でイラストレーターが目指せる専門学校です。
オリジナルアイディアを表現するスキルが学べるキャラクターデザイン学科と、マンガとイラスト両方のスキルが学べるマンガイラスト学科では、どちらもイラストレーターとして活躍するのに必要な知識と技術を一から身につけられます
また、AMGグループが提供する「産学協同プロジェクト」では在学中からプロの商品開発に関わることができるため、就職活動の際に重視されるポートフォリオ(作品集)の制作にも有利です。
イラストレーターをめざせる学校の選び方
学校の種類によって学ぶ目的やカリキュラムや修限年数は異なります。
このため、基本的には自分の希望や将来設計に合った進路を選択するのがおすすめです。
そのほか学校選びの際に大きく関わってくる要素としては、入学の難易度が挙げられます。
美大の入試は学科試験と実技試験にわかれており、とくに実技試験では高いレベルが求められます。
このため美大を目指す人はすでに高いスキルを持っている人や、高校2年生頃から美大受験の予備校に通っている人が多いのが現状です。
それに対して専門学校の入試は、基本的に書類選考でおこなわれるため、入学時に特別なスキルを持っている必要はありません。
このように専門学校は初心者でも入学しやすいため、一からイラストに関する知識と技術を身につけたいという人におすすめの選択肢といえるでしょう。
イラストレーターになるのに必要な資格
イラストレーターになるのに資格は必要ありません。
しかし保有していることで一定のスキルを証明でき、仕事をするうえで役立つ資格はあります。イラストレーターにおすすめの資格の一例は以下の通りです。
- Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
- Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
- 色彩検定
- CGクリエイター検定
- アドビ認定プロフェッショナル
- カラーコーディネーター検定試験
イラストレーターになるのに必要なスキル
イラストレーターとして働くうえで重要なスキルは以下の通りです。
画力
イラストレーターとは絵を描く職業ですから、やはり仕事をするうえで最低限の画力は必要です。
絵は得意だけど人しか描けない、動物しか得意じゃない、などの偏りは、イラストレーターとしての可能性や仕事の幅を狭めます。
長所を伸ばすことも大切ですが、どんな依頼もこなせるように同じくらい、もしくはそれ以上苦手な分野も練習に取り組みましょう。
個性
絵が上手いイラストレーターはたくさんいるため、そのなかで埋もれないためには個性が重要です。
イラストはただの装飾ではなく、商品やページの顔になることも少なくないため、他の人にはない個性を求めるクライアントも多いです。
このためオリジナリティのある絵が描けることは、イラストレーターとして大きな強みといえます。
日頃からイラストだけでなく絵画やアニメや、映画や芸能などさまざまな文化に触れるなどして感性を磨くことが、自分だけの表現を身につけるヒントとなるでしょう。
コミュニケーション能力
自分が描きたい絵を描くのではなく、クライアントの求める絵を描くのがイラストレーターの仕事です。
このためイラストレーターには、クライアントがどんな絵を求めているのか潜在的ニーズを汲み取る能力やイメージを共有するためのコミュニケーション能力が求められます。
とくにクライアントのイメージが曖昧な場合やうまく言語化できていない場合は、質問や言葉の深掘りで相手の話を引き出すことで、双方よりスムーズに、満足のいく形で仕事ができます。
イラストソフトを扱うスキル
近年はデジタルでイラストを作成するケースが増えているため、イラストレーターにはイラストソフトを扱うスキルが求められます。
イラストソフトには様々な種類がありますが、最低限PhotoshopとIllustratorを使いこなせるよう練習しておくことをおすすめします。
イラストレーターに向いている人
イラストレーターに向いている人は、何よりイラストを描くことが好きな人です。イラストレーターは技術力が重要な仕事なので、描き続けることで常にスキルアップをめざせる人は成功しやすいといえます。
一方で好きなだけでは務まらない仕事でもあります。クライアントの要望に応えなければならないため、思い通りにイラストを描けるとは限りません。クライアントに満足してもらうために悩み、考える姿勢も大切です。
さらに、近年は上手な絵を描くイラストレーターが増えていることから、技術だけではなく独特の作風や個性が、イラストレーターに求められる要素の一つになっています。自分なりのイラストを描ける方、またはそのための努力ができる方はイラストレーターに向いているでしょう。
イラストレーターを目指す学生からよくあるQ&A
では最後に、イラストレーターを目指す学生からよくある質問と、その回答をまとめます。
イラストレーターって食べていけるの?
イラストレーターというと、フリーランスで絵を描いているというイメージが強く、収入が安定しないのでは?という印象を持たれがちですが、会社に所属して一般的な会社員と同じように給料をもらっているイラストレーターもたくさんいます。
またフリーランスでも、会社員のイラストレーターからスタートして、実績を作ってから独立したという人が多いので、しっかりと稼いでいることが多いです。
むしろ、会社員より稼いでいるという人もいます。
社会人からイラストレーターになれる?
進路に迷っていて、他の職業での就職を考えている方もいらっしゃいます。
イラストレーターは、社会人になってからでもめざすことが可能です。就職してしまったら取り返しがつかないわけではないので安心してください。
ただし、未経験OKの求人でも「学校で専門教育を受けたことがある、またはイラスト関連で一定の実務経験がある」ことを応募条件としている場合がほとんどです。
このため社会人からイラストレーターをめざす場合は、短期間で実践的な知識と技術を学べる専門学校でまず勉強をするのがおすすめです。
画力に自信がなくて、イラストレーターとしてやっていけるか不安
イラストレーターになるには、画力が全てではありません。
絵柄に個性があったり、3DCGが扱えたりと、何か強みがあればイラストレーターとしてやっていける可能性があります。
今はまだ自分の強みが分からないと思いますが、イラストを勉強する中で、先生達と一緒に強みを見つけていきましょう。
イラストに関する仕事がしたいけど、具体的に何がしたいか決まらない
イラストに関する仕事について、まだ具体的な情報が足りないのかもしれません。
周りにイラストレーターの知り合いがいれば、その人に聞くのが一番ですが、なかなかいないですよね。
そんな時は、イラストを専門で学べる学校のオープンキャンパスで聞いてみましょう。
オープンキャンパスには、プロのイラストレーターの先生や、イラストの仕事に詳しい先生がいるので、質問してみるのがおすすめです。
まとめ
イラストレーターは、いろんな業界で活躍できるんですね。
イラストに関する仕事はたくさんあるからこそ、どれが自分に合っているのか迷ってしまうものです。
学生のうちからやりたい仕事を考えるのは難しいかもしれませんが、進路選びで失敗しないためにも、やりたいことをある程度絞っておくといいですよ。
イラスト専門学校ならアミューズメントメディア専門学校
大阪アミューズメントメディア専門学校では、キャラクターデザイン学科とマンガイラスト学科の2つのイラスト関連学科をご用意しており、イラストレーターだけでなく、イラストに関連する様々な職業を目指すことができます。
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